美濃淡墨桜殺人事件
巨大企業となった道浦食品では、創業家の道浦家と叔父で社長の多岐川濤一郎とで、後継者を巡る派閥争いが静かに勃発していた。
その大きな原因は、道浦家のひとり娘・碧が、家業を継ぐべき立場にもかかわらず、工業デザイナーになるといって、3年前イタリア・ミラノにひとりで勝手に行ったためだった。
そんな折、母であり道浦食品会長の真佐子が末期ガンに冒されていると、ミラノまでわざわざ知らせに来た者があった。
そして間もなく、母の死を知らせる電話が日本から届いた。
ところが、死因はガンではなく、毒殺の疑いが濃厚ということだった……。
碧は急きょ、帰国したが、数々の罠が待ち受けていた。
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