電話男
電話男とは何者であるか。
小説内では、こう書かれている。
「電話男はなんの報酬も求めませんし、逆にあなたに向ってグチを言ったりすることも決してないのです」電話男は、以下のような存在らしい。
「どんな話にも耳をかたむけることになっています。
だから話がつまらないからといって途中で電話を切ったり、話の内容に非難がましいことを言ったりすることは決してありません」どうすれば、こんな素敵な電話での話し相手が得られるか。
「電話男の電話番号さえ入手すればいい。
それだけです」第三回海燕新人賞を受賞した、小林恭二の記念すべき第一作である。
1984年に書かれた当時、「現代人のコミュニケーションを求める姿を暗示している」などと評論され、絶賛された。
この時の現代の姿は、何十年と時が過ぎた「現代人」にも当てはまるのではないか。
つまり、この小説が発表された当時、時代を先取りした小説であったが、それは今も、時代を先取りした小説ということなのだ……。
あなたは、この小説をどのように読み解くだろうか。
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