木曽駒ヶ岳、宝剣岳がくっきりと眺められた晴天の駒ヶ根市の銀行に、強盗が押し入った。<br />犯人は逃走の途中で人質を取る。<br />偶然通りかかった三十三歳の三奈子だった。<br />翌日には無事解放されるが、三奈子の人生は大きく変わっていくことになる。<br />(表題・アルプス冬物語)。<br />ほかに、「無名沢」「赤い崩壊地」「下山近道」「地獄への縦走」「奥又白谷」「魔性の尾根」など全7編からなる山岳推理短編集。<br />