蝶ヶ岳と常念岳の間の沢で死体が発見された。<br />当初、道迷いによる疲労凍死と見られていたが、登山道から外れた現場付近の木の枝に正しい道標を示す赤い布きれを見つけたことで、遭難という見立てに疑問符がつけられた。<br />長野県警豊科署の道原伝吉は、雪山の現場に向かい、捜査を開始する。<br />赤い布きれに隠された驚愕の罠を、伝吉は見抜く!「霧の道標」より。<br />全6篇からなる力作揃いの山岳ミステリー集――。<br />