月とうさぎのフォークロア。
「伊岐くん。
あ、あの。
わたしね? ずっと伊岐くんのことが――」故あって海にやってきた朔たち。
春や鈴の水着攻撃から逃れた朔が柏木と話をしていると、突如飛来した銛が彼女の背後に突き刺さった。
「……鮫がいた。
あぶなかった」やってきた白が銛を抜く。
同時に柏木の水着がはらりと舞い落ちた。
銛が水着の背中の紐を切ったのだ。
「おっぱいみえてるー」広い海に冬の無邪気な声が響く。
女同士の戦いが苛烈さを増すなか、天月一家では瀬月内が襲撃を受けて重傷を負い、事態は風雲急を告げる。
月欠けた夜――血に塗れた神々が白き神人を紅く濃く染める、第8回GA文庫大賞≪奨励賞≫受賞作。
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