平安中期物語文学研究
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本書では、物語文学誕生の基盤を整理し、長編への胎動を見せるいくつかの要素の存在を考えてみた。
次に、その具体的な展開として、うつほ物語と源氏物語とについて、取り分け前者では構造・成立の視点から、後者では人物造型の視点から、長編形成のありようを探ってみたのである。
また併せて両物語についての、前記の視点を補う数編の論考と、更に両長編以後の物語文学の位相を考察する二編を、付編とした。
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