カニになった乙女 ─サリン事件哀話─
地下鉄サリン事件で意識喪失しベッドに眠り続ける佐々木香仁子は、夢幻に生家の池に棲む弁慶ガニになった。
ある日、喪服姿の養祖母や縁者が屋敷の池をのぞき込んで、養祖父が死去したと知り、元は人間だったと気付くが、記憶は曖昧なまま思索力は戻った。
屋敷は更地にされ、カニは燃やすゴミで棄てられるが、運よく近隣のママと幼女に救われ水槽に飼われる。
様々な人間模様を観察し世間を斬る。
幼女の不慮の死で、川に放たれたが天敵カモメに食われ、ベッドの香仁子も息を引き取った。
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