ヒスイが暴く歴史の闇。<br />新移民法の実施で拡大をつづける一九六〇年のサンフランシスコ・チャイナタウン。<br />異郷に住む他国者であることを忘れずにくらしてきた華僑一世たちと、戦争を米国民として体験して「アメリカ市民」を自覚する若い二世、三世との隔絶があらわになっていた。<br />そんな折り、チャイナタウンで公開された一塊のヒスイが、一九四九年、中国人民解放軍が上海に入域する直前、上海有数の富豪を殺害し財産を奪った人物を暴く。<br />