惠摩が生きた歳月の大半を過ごした関東平野から、すべての生命が失われた。<br />気づくと上空から何もない闇を見下ろしていた。<br />死後の精神が肉体を離れて浮遊しているのか。<br />これで苦痛なあらゆる出来事から解放される。<br />何物にも煩わされず静かに眠れる。<br />