もうひとつの沖縄戦―戦争マラリアの波照間島―
沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第3弾。
2012年5月15日は沖縄県本土復帰40年の節目の年である。
沖縄をめぐるテーマにこだわり、多彩な執筆者を得て沖縄本としては最も大きな森を形成してきたおきなわ文庫シリーズ。
もうひとつの沖縄戦とは砲煙弾雨の沖縄戦の延長線上における戦争体験を表現したものである。
本書は沖縄国際大学・石原昌家名誉教授が当時指導員を務めた「石原ゼミナール」と「戦争体験記録研究会」の共同編集作品。
戦争体験を時代の証言として記録したものである。
本書があらゆる戦争を拒む平和なこころを持続させる一助となるよう期待したい。
29年の時を経て監修者である石原昌家名誉教授による電子版あとがきを追記した電子復刻版。
「『戦争体験の継承』が言われて久しい。
本書に携わったひとは、1960年前後生まれの若者たちである。
したがって、本書は、戦争体験が次代へ正しく継承された先駆的な書として評価を受けることになろう。
しかも、戦争体験がこれまでの単なる聞き書きだけではなく、戦争被災の実態を数量的にも把握して、被害の全体像を解明していったことは、初の試みである。
また、このような調査は、ヤングパワーと集団のパワーでしかできないものである。
ここに、戦争体験の記録運動が、ひとつのハードルを超えたことを示している。
(1983年初版発行時の作品紹介文より)」
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