沖縄経済―格差から個性へ―
沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第6弾。
著者は元琉球大学教授であり、自らを地域プランナーと称した真栄城守定氏。
エコノミストとしては、沖縄社会で最も露出度の高い知識人であったが、2005年10月11日心筋梗塞が高じて帰らぬひとになった。
67歳という若さであった。
本書は地域プランナーとしての真栄城守定氏が、沖縄県下の将来計画を立案するために旅した地域での感懐や沖縄認識そのものを綴ったモノローグである。
著者自らが沖縄経済の語り部となり1981年から85年までの間にインタビューや講演、執筆依頼を受けてきた原稿を集成したものとなっている。
沖縄経済の7不思議とは…1つ目「時の氏神」による沖縄の経済成長、2つ目は人口増加、3つ目失業率が高い、4つ目は格差、5つ目第三次産業が高いシェアをもつこと、6つ目は企業倒産、そして7つ目は、移入依存度の高いこと。
このように沖縄経済には、常識的にはちょっと頭をかしげたくなるような現象がしばしばみられる。
この他7章から構成されていて、沖縄の状況を正しく捉え実によくまとめられている。
現在の沖縄経済と比較してみるのも本書の活用方法である。
今回は復刻にあたり、亡き真栄城守定氏の友人でもあり本シリーズにもたくさんの作品を発表している高良倉吉氏(琉球大学教授・琉球史)による追悼文を新たに追記した電子復刻版。
「「沖縄経済」-島嶼のなかで生活する百万県民の経済の営み。
知りたくても、なかなか適書がみつからないというのが現状です。
それに、経済はむつかしい。
という風評があって経済書は敬遠されがちです。
本書はわかりやすい口調で、しかも若者の問題意識、豊富な経験とデータをまじえて「沖縄経済」を語ってくれてます。
沖縄経済を知る確かな手ごたえを感じさせる書です。
(1986年当時の作品紹介文より)。
」
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