崎山節のふるさと―西表島の歌と昔話―
沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第7弾著者は沖縄県西表島の南西部に位置し、すでに廃村(昭和二三年廃村)になっていて訪ねることができない崎山村に育った川平永美氏。
川平氏は崎山村、最後の語り部であった。
本書は崎山村やそこに生きた人びとの事を知ってもらいたい…。
そんな思いを胸に著者と編集者である安渓遊地・貴子夫妻によるささやかであたたかい記録である。
丹念な調査の実りもあって、とても面白く読み進めて行くことができる1冊となっている。
沖縄の西表島の西部には、網取という集落があったが、くしくも本土復帰1年前の1971年に廃村となった。
本書には、西表島の最西部に1948年まであった崎山という集落を舞台に、鹿川(1911年廃村)、網取という最果ての集落の話が収めている。
「崎山の御嶽」、「鹿川村の娘にふんどしを取られた話」、「網取村の海賊船の話」…浮世離れした話がいっぱい詰まっている。
本書で取り上げられている崎山,鹿川,網取は島の中の島、陸路のない集落跡である。
「沖縄芝居で世に知られた、強制移民の村、崎山。
生まれ島波照間の望郷の念は、崎山節となってほとばしった。
しかし、島びとは歌を日々の励みとし、たくましく大らかに生き続けた。
これは廃村となった崎山村最後の伝承者と西表島の人と自然に魅せられた若き人類学徒夫妻との感動的な出会いが産んだ類い稀な記録である。
読者はここに、消えた村の島びと自身の声を聞き取ることだろう(1990年当時の作品紹介文より)。
」
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