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西表炭鉱夫物語

沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第8弾。
「拷問による強制労働と命懸けの逃亡―。
明治半ばから去る大戦まで西表島の山奥深く展開されてきた炭坑労働の歴史。
やがて密林に呑み込まれんとする歴史を、元坑夫たちが生々しく語る。
それは炭坑の犠牲者たちが生存者の口を借りて語ったものであろうか。
元坑夫たちの生きざまを通して描く西表炭坑の社会。
沖縄近代史の恥部であり、暗部である西表島炭坑に再びスポットを当てる。
(1990年当時のあとがきより)。
」本書は本シリーズ『西表炭鉱概史』の姉妹編である。
当時炭坑に働いていた坑夫たちからできるだけ話を聞き、それを書き留めることにつとめてきたが、本書もそうした取材の過程でめぐり会った坑夫たちの話をまとめたものである。
そしてこれらの人たちの生きざまを通して、西表炭坑の世界を描いたつもりである。
9人の体験談で構成されている。
・炭坑ピンギムヌ譚─西表炭坑の笑い話・モルヒネが鉄の鎖だった─元坑夫を基隆に訪ねて・帰化を拒んだ台湾人元坑夫─陳蒼明の日本告発・筑豊から西表へ─坑夫・村田満の生涯・昭和の生き地獄をゆく─元少年坑夫の逃亡と巡礼・西表炭坑夫の足尾帰郷─流れ坑夫・大井兼雄の軌跡・下駄と手ぬぐい残して─坑夫・藤原茂太の独白・与論島から来た坑夫たち─女坑夫と農夫の体験・炭坑の私立学校で─女教師・安座間幸子の回想本書を通して血の通った歴史を感じ取っていただければ、それに過ぐる喜びはない。
初版から22年の時を経た電子復刻版。




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