西表島に生きる―おばあちゃんの自然生活誌―
沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第7弾。
本書は編集者である安渓遊地(京都大学理学博士)、貴子(広島大学理学博士)夫妻が1974年から18年かけて、問わず語りの形で聞くことができた山田雪子さんという、西表島のひとりの女性の暮しの記録である。
雪子さんは1999年1月25日老衰のため死去。
92歳であった。
雪子さんの語りには、大自然の中で暮してきた人たちのシマへの愛着と、子孫の代のことを考えながら生きていくという教えがこめられている。
地域に根を降ろして生きてきた人のなにげない語りに、私たちは未来につなげるべき多くのことを学ぶことができる。
本書は明治の末に網取村に生まれた山田雪子さんの生い立ち、そして西表島での暮しの智恵と生活の技術の記録で構成されている。
イリオモテヤマネコで有名になった西表島は、どの季節に訪れても緑あふれる島。
その自然に注目して「最後の秘境・原始の島」ともてはやされることも多い。
しかしそこには、独自の文化と言語をはぐくんできた人々の暮しがあり、山の幸・海の幸・川の幸を活かし、その自然のめぐみに生かされてきた島びとの長い歴史がある。
その歴史の中から、神がみにささげる歌と踊りをもつ多くの祭りが生まれ、何度も通うほどに、人と自然と神がみの共存が実感されてくる不思議な魅力をもった島である。
南の島の自然のただ中に生きてきた人々の暮しはどんなものか。
西表島の西南部の網取(あみとり)村での、自然にとけこんだ生活の中からうみだされた暮しの智恵と生活の技術を、山田雪子さんが語る。
自然のめぐみを大切にする生活の教科書となる1冊が電子書籍として復刻。
「四季を通して緑あふれる西表島に生きる人びとは、昔からその豊かな大自然と共に生きて行く暮らしの知恵を伝えてきました。
つつましい祈りに満ちたその世界を、一人の女が食と料理を中心に語りつくします。
生き物の暮らしと人間の暮らしに魅せられた編者夫妻の『わが故郷』シリーズ第3弾。
「いま自然と共に生きるため」の知恵と技術を満載した手引書(1992年当時の作品紹介文より)。
」
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