花嫁の切なる願い
病の娘のためなら、何もいとわない――私を不幸にした彼に頭を下げることも。
幼い娘が白血病にかかり、一人親のマーラは治療費に困っていた。
夫が亡くなったために医療保険が支給されないのだ。
1年前のあの日、旧友で資産家のファルコンと再会した夫は、ファルコンのおごりで酒を飲み、運転中の事故で帰らぬ人となった。
夫の死に関してファルコンにも責任があると感じたマーラは、葬儀の日に彼が申し出た援助を、衝動的に拒んだのだった。
だが万策尽きた今、マーラはやむをえずファルコンを訪ね、家政婦として働いて返済するので、治療費を貸してほしいと願い出る。
小切手は切ってやるから、さっさと帰れと追い返された翌日、突如ファルコンが彼女の家に現れ、言った。
「僕と結婚するんだ」■掃除、洗濯、料理、どんなことをしてでも娘の治療費を――我が子の命を救いたいマーラの切なる願いは、ファルコンの突然の愛なき求婚によって、思わぬ方向へとさまよいはじめます。
一緒に暮らしはするけれど、名ばかりの夫婦でいればいいという彼の真意とは?
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