涙色の聖夜に愛は
私の愛も死んだと思っていた。
あなたに愛されないとわかったときに。
クリスマス間近、マリアは愛する息子を連れて、かつて夫セブと過ごしたカッターネオ家の別荘を訪れた。
仕事第一の大富豪実業家の彼に耐えられず、家を出て1年。
それでもここにやってきたのは、クリスマスを家族で祝うためだ。
夫が最近、両親を亡くしたうえ、存在すら知らなかった兄に会社の経営権を突然奪われたことも、気にかかっていた。
家族の大切さを思い知ったというセブは、マリアに復縁を求めた。
そして、以前とは変わって家族のために努力する夫の姿に、マリアはかつての想いを取り戻しかける――まさかイブの日に、置き手紙一つでまた置き去りにされるとは思いもせず。
■イタリア大富豪一族の3兄妹を描いたミニシリーズ〈カッターネオ家のクリスマス〉もついに最終話。
第1話『摩天楼のシンデレラ』の主人公である長男レオの出現で、人生が激変した次男セブ。
彼の不器用な愛を、イマージュの話巧者S・ペンブロークが綴ります。
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