灰かぶりの純情
10年前、身ごもった小さな命を失ったとき、あなたの愛も見失った。
黒い瞳。
彫刻のように端整な顔。
10年ぶりに会う元恋人――皇太子ダニールを、メイソンは呆然と見つめた。
あの夜、あなたと出会って嵐のような恋におち、純潔を捧げた。
そして授かった、愛の証。
流産さえしなければ結ばれていた?いいえ、それは夢物語ね。
父の借金返済に追われる私との交際はおろか、ましてや結婚など許されるはずもなかっただろう……。
千々に乱れる思いを必死で隠す彼女に、ダニールが言った。
「舞踏会に出席してほしい。
君の抱える借金は肩代わりしよう」■自分を捨てた愛しい男性との思いもよらぬ再会に戸惑うヒロイン。
巨匠リン・グレアムも絶賛する、ヒット作連発の気鋭ピッパ・ロスコーが描く、貧しき乙女のほろ苦い初恋物語をお楽しみください。
『ボスと秘書には秘密がある』『幻の一夜と愛の証』関連作です。
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