公爵の小さな妖精
‘非常手段でいっきに解決’――それが公爵からのプロポーズだった。
「デューク! 待て!」ソフィーは逃げ出した犬に鋭く命じた。
すると歩道を歩いていた男性が突然立ち止まり、大おばの愛犬デュークは磨き上げられたブーツに激突した。
「止めてくださって助かりました。
この子が行方不明になったら、大おば様のお世話係を首になり、田舎に送り返されるところでしたわ」彫像のように美しくたくましい男性と言葉を交わすうち、彼の物憂げで苛立たしげな様子に気づいたソフィーは頬を赤らめ、しゃべりすぎたことを悔やみながら逃げるように立ち去った。
このハンサムで陰のある紳士がデューク――公爵の称号を持つ大貴族で、ほどなく彼と愛なき婚約をすることになるとは夢にも思わずに。
■人目のある道端でトラブルに巻き込まれたソフィーを助けるため、とっさに彼女との婚約を公言した公爵。
嘘から始まる身分違いの婚約劇の、思いがけない結末とは……。
心を閉ざした公爵と、愛を夢見る健気な乙女のドラマチックなシンデレラ・リージェンシーです。
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