疎遠の妻と憂いの領主
ずっとあなたを愛してた。
そのひとことが、言えなくて……。
良家の子女に仕えるお堅い教師キャリーには秘密があった。
17歳で情熱のおもむくまま駆け落ち結婚をして子供を産み、やがて夫と別居したまま9年も経ってしまったなんて――さえない私が貴族の奥さまだなんて、自分でもほとんど忘れかけている。
果てしない雑務の合間に外出したある夏の昼下がり、キャリーはあまりのショックに意識を失い、道端に倒れこんだ。
目の前に突然、馬を駆る夫が現れたのだ――夜ごと夢のなかでキャリーを悩ませる、罪なほど魅惑的なギデオンが。
彼は馬から飛びおりると、妻のそばにひざまずいてつぶやいた。
「やっと君を見つけた。
ひさしぶりだな、レディ・ラフレイン」■ふたたび強く惹かれ合いながらも、素直になれないふたり。
互いに誤解を抱いたまま、形ばかりの復縁を果たしますが……。
幼すぎた花嫁、引き裂かれた純愛、運命の再会――『家政婦と不機嫌な子爵』『侯爵と男装のシンデレラ』関連作、切なくも美しい十年愛です!
更新中です。しばらくお待ちください。