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十八年後の奇跡

この腕に抱いた幼子の温もりは、片時も忘れたことがなかった。
ローズは17歳で、生まれたばかりのダニエルを養子に出した。
初めて愛した相手には去られ、両親にも見捨てられて、彼女は独り、ロンドンに出て、息子のダニエルを産んだのだった。
息子とのつらい涙の別れの後、ローズは看護師として自立した。
それから18年、彼女に奇跡のような再会の機会が訪れた。
ダニエルの養父であるオーウェンに呼び出されたのだ。
会ってみると、オーウェンは荒削りだがハンサムな男性だった。
養母を亡くして失意の息子が、生母に会いたがっているという。
すぐにも会わせてほしいと懇願するローズに、オーウェンはしかし、息子に近づかせまいと、金を渡して引き下がらせようとして……。
■2017年に惜しまれつつこの世を去ったロマンス小説家ジェニファー・テイラー。
作家と生前に親交のあった泉智子氏が翻訳を手がけた本作は、やむなき事情で手放したわが子を想うヒロインと、その子を守ろうとするヒーローの出逢いと深い愛を描く感動ロマンスです。




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