公爵と氷の微熱
崖っぷちの令嬢が通いはじめた、’秘密のレッスン’のお相手役は……。
「今夜から、高級娼婦に教わるのです。
男性を魅了する方法を」厳格な母のものとは思えない言葉に、エレナーは耳を疑った。
衝撃さめやらぬエレナーだったが、破産寸前の伯爵家を守るためには’氷の女王’のあだ名を払拭し、今季中に結婚するしかないと言われ、やむにやまれず仮面とかつらで変装をして所定の館におもむいた。
出迎えたのは麗しい’女性講師’と、すばらしくハンサムな紳士だった。
チャールズと名乗る彼は、エレナーの相手役を依頼されたのだという。
レッスンが始まり、教えをひたむきに実践するエレナー。
だが、そのときの彼女には知るよしもなかった。
チャールズが公爵であることを。
そして、亡き父の宿敵であることを。
■互いの魅力に抗いながら続けたレッスンの成果で壁の花を卒業し、チャールズへの想いを押し隠して紳士たちと踊るエレナー。
しかしある夜会で知人に秘密を暴露され、母娘は社交界を追放されて……。
叶わぬ愛を夢見た乙女の、熱く儚いドラマチック・リージェンシー。
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