赤毛の貴婦人
■鉄の意志を持つ戦士にも、赤毛の花嫁という弱点があった。
■マイナはずぶ濡れのまま、モンモランシー城の大広間に入った。
嵐の中ここまで来たのは、婚礼前夜の祝宴のため。
それなのに、花嫁のわたし抜きで始めてしまうなんてどういうこと?そのとき、奥の一段高い場所から彼女を見つめる男に気がついた。
冷たく傲慢そうだが、意外にも若くたくましく、見目もいい。
あれが夫となる人ね! 強気なマイナは着替えもせずに上座に近づき、皮肉を込めて当主ロジェに挨拶すると、さっさとその場をあとにした。
なんという生意気な女! 赤毛の女とあって頑固なことこのうえない!ロジェは初めて会った未来の妻に怒りと幻滅を覚えた。
だが、濡れた服はマイナのすばらしい体をあますところなく見せつけた。
彼は妻に一つのことしか――服従しか要求しないつもりだった。
待ち受ける困難も知らずにロジェは一人、悦に入った。
マイナ・チルコットはその見返りに、夢のような夜を経験する。
百戦錬磨のわたしが技を駆使すれば、女を手なずけることなど簡単だ!■中世イギリスを舞台に、戦う男たちの愛と冒険を描く人気の『戦士に愛を』シリーズも五作目に突入! 前作『ウェールズは遠く』にも登場した独善的なサー・ロジェ・モンモランシーが赤毛の貴婦人相手に四苦八苦します。
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