伯爵が愛した灰かぶり
伯爵の目に飛び込んできたのは、王女のドレスをまとった、清貧の乙女。
両親亡き後、エレナーは老婦人の付添人としてつましく働いていたが、ある日突然、婦人の親戚ラヴェナム伯爵からプロポーズされる。
ハンサムでやさしい彼を密かに慕ってはいたけれど、話が合う君となら、ベッドで飽きてからも穏やかに暮らせるだろうから、などという理由で結婚なんて。
ショックで逃げ出したエレナーは、ひょんなことから、さる公爵未亡人の町屋敷で世話になることに。
事の顛末を聞いた公爵未亡人は面白がり、伯爵の追跡をかわすため、エレナーを豪華なドレスと宝石で飾り、架空の国の王女に仕立て上げた。
変装の成果を試したい夫人に、あらゆる夜会や舞踏会に連れ出されるが、そこには必ず、怒りにたぎるまなざしのラヴェナム伯爵がいるのだった。
■ヒストリカルのベテラン人気作家アニー・バロウズが贈る『公爵の秘密の願い』の関連作です。
伯爵は、エレナーの変装も、彼を欺くことになり自己嫌悪に陥っている彼女の心もお見通し。
公爵未亡人の前では調子を合わせながらも、ある夜ついにしびれを切らし――
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