いつわりと純真
助手席に座るスティーブの強烈な魅力を感じながら、アンリースはなんとか車の運転に集中しようとしていた。
この旅の目的は誰にも教えていない――親友のシンディにさえも。
心配したシンディは自分の兄を無理やり長旅に同行させた。
その親切がどれほど私の心をかき乱すか知りもせずに……。
不意にタイヤがパンクした。
スペアのタイヤがないと知り、スティーブはボンネットに両手をたたきつけて嘲った。
「車の点検もしないで千七百キロも運転するつもりだったのか。
なのに香水をつけるのは忘れなかったんだろう、お嬢さま?」そしてふたりは、熱く気づまりな一夜を過ごすはめになり……。
■「ホロスコープに導かれ」のヒロイン、アビーの妹アンリースの物語です。
名うてのプレイボーイである実業家スティーブとの、気になる恋の行方は?
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