非情な恋人
イタリア人実業家、セルジョのロンドン・オフィスの一角には、プレイ途中の高価なチェス盤が展示してある。
’手を触れないでください’と表示されているにもかかわらず、この三週間、夜ごと一手ずつ駒を動かす者がいる。
セルジョが舌を巻くほどの腕の持ち主だ。
意外なことに犯人は、夜間、ビルの清掃作業に通うキャシーだった。
ある辛い過去ゆえ、ひっそりと暮らす女性だが、そんな事情を知らないセルジョは好奇心をそそられ、彼女の行為は自分の気を引くための策略に違いないと考えた。
彼は警備主任を制して言った。
「この件は僕が処理する」★リン・グレアムによるゴージャスな三部作〈非情な恋人〉もいよいよ最終話を迎えました。
激しく引かれ合う男女を力強い筆致で描いた作品をお楽しみください。
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