孤独なバージンロード
昼は書店員、夜はオフィスビルの清掃人として働くエリーはある晩、立入禁止の社長室から漏れる会話を偶然耳にしてしまう。
慌てて引き返そうとしたが時すでに遅く、その声の主が現れた。
ディオ・アレクシアキス。
情け容赦ない人物と噂される社長だ。
彼はエリーを一瞥すると、彼女が産業スパイだと決めてかかった。
なんという言いがかり……。
半ば呆然として無実を訴える彼女に、ディオは今から発つギリシア出張にエリーも同行するよう命じた。
外部と接触させないため、しばらく昼も夜も自ら監視するという。
抵抗するエリーを乗せ、飛行機は無情にもアテネへと旅立った。
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