情熱は罪
カリブを襲った嵐の夜、ライザは義理の兄ロークと結ばれた。
ともにクルージングに出た船上で、激情に駆られてのことだった。
だが、直前にマストから落ちて脳震盪を起こしていたロークは、断片的な記憶喪失に陥り、翌朝にはそのことを忘れてしまう。
義妹への潜在的な罪の意識か、以来、彼はライザに冷たくなった。
一夜の思い出に胸を焦がしても、報われることはないんだわ……。
ライザはあまりの苦痛に耐えかねて、書き置きも残さず家を出た。
あれから5年。
過去を忘れ、ロンドンで自活するライザの前に、突然ロークが現れた――昔と変わらぬ非情さを漂わせて。
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