遙か遠いアラビアの王国ジュダール。<br />そんなお伽噺みたいな国の皇太子(シーク)が、しがない通訳の私を誘うなんて。<br />カルメンは夜ごとファルークの漆黒の瞳に見つめられ、肌のエキゾチックな香りに包まれ、悦びの極みに溺れる。<br />いつしか心まで奪われた時、カルメンに一つの恐るべき秘密がもたらされ、夢の千夜一夜物語は突如終わりを告げる……。<br />■本書は、2009年7月に小社より刊行された作品を再編集したものです。<br />