拒まれた純潔
雑誌記者のサスキアは、崖にへばりつくようにして身を隠し、男性が姿を消したばかりのテラスを見上げていた。
そもそも気のめいる取材だった。
何しろ、相手はシドニー在住の大物実業家にして、かつてサスキアをもてあそんだ男なのだ。
そんな男の取材をするなんて、まさに運命の皮肉だ。
だが、今回の取材にはサスキアの将来がかかっていた。
首尾よく彼の記事を書けたら、念願の編集長職に就けるのだ。
意を決して身を起こした瞬間、彼女はいきなり砂地に押し倒された。
憎き男、アレックスとの八年ぶりの再会だった。
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