伯爵夫人の片想い
憐れみや施しはいらないと言ったのに、それならば僕を受け取れ、ですって?エリーをただ働きの家政婦扱いしかしなかった冷淡な継兄が、紳士クラブで起きた諍いの流れ弾を受けて死亡した。
その訃報を伝えに来たのは、ヘインフォード伯爵ブレイク――社交界随一の富と美しい容貌を持つ、エリーが密かに憧れる男性だ。
銃弾が、本来彼を狙ったものだったことに責任を感じ、急いで駆けつけたのだろう。
髪は乱れ、シャツも破れたままだった。
天涯孤独の身となったが、彼からの憐れみだけは受けたくない……。
私のことを’不美人で脚の悪い女’と呼んでいたから。
だが、継兄がエリーの財産を使い果たしていたことを知るや、ブレイクは支援を拒む彼女を突っぱね、こう言った。
「僕と結婚しろ」■人気実力派作家ルイーズ・アレン。
伯爵との便宜結婚ものをお贈りします。
エリーはなかば強制されるように伯爵の妻となりますが、彼に愛がないのは自明。
でも、過去の事件による男性不信、不自由な脚――それらをすべて受け入れてくれる夫への片想いは夜毎せつなく募り……。
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