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灰かぶりの舞踏会

伯爵夫人なんて、ありえない。
背伸びしても、彼の世界には届かないから。
故郷の小さな村を出てロンドン暮らしにも慣れてきたライザは、ある夜、遊びに来た家族と連れ立って流行のバーを訪れた。
そこでイタリアの伯爵で実業家のファウストと知り合う。
漆黒の髪の彼は遠くからでもわかるほど際立ってセクシーで、まるで世界を所有しているような尊大な雰囲気になぜか惹きつけられた。
それなのに、ファウストがライザのことを「平凡で退屈そうだ」と評しているのを漏れ聞いてしまい、彼女はとたんに気落ちした。
しかも彼はライザたち家族を’財産目当ての田舎者’と決めつけると、軽蔑の念を隠そうともせず、無表情でいとまを告げて去っていった。
失礼な人! でももう会うこともないわ。
だが、彼女の予想は外れ……。
■後日、ライザとファウストは友人のパーティでばったり再会して、火花を散らします――それは敵対の火花か、恋の火花か。
たとえ恋であっても、ファウストには伯爵夫人にふさわしい家柄の娘を娶る責務がありました。
そんななか、舞踏会が開かれることになり……。




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