お芝居はいや
私はただの恋人役なのに、心は、それをわかってくれない。
19歳のファラは父親が会社の金を使い込んだことを知り、父親の勤め先である新聞社のオーナーのもとへ駆け込んだ。
「父は病気の母のためにやってしまったんです……お願いです、父が刑務所に行かずに済むのなら、私はなんでもします!」必死に訴えるファラを、若き敏腕経営者のジョエルは興味深そうにじっと見つめていたが、やがて口を開いた。
「それなら、僕の恋人を演じてくれ」彼は淡々と説明した。
新しい恋人ができたふりをして、今の恋人と別れたいんだ、と。
そんなお芝居、私にできるの……? ファラは不安におののいた。
■ハーレクイン黎明期から長きにわたり活躍を続ける作家キャロル・モーティマーの名作です! うら若きファラに課せられた’お芝居’の行方は……?
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