泣きぬれたシンデレラ
17歳で、私はすべてを失った。
住む場所も、愛する人も、いとしい娘も。
「ジェームス……」パリのホテルの一室で、クロエは思わずつぶやいた。
同級生だった彼と激しい恋に落ち、17歳で妊娠。
娘は奪い去られ、ふたりで築くはずだったささやかな幸せは粉々に打ち砕かれた。
失意のどん底から這い上がったクロエは父親が決めた縁談を拒み、清掃員とウエイトレスを掛け持ちしてもなお極貧にあえいでいる。
かたやジェームスは成功者だ――こんな贅沢なホテルに泊まれるほどの。
記憶のなかの少年よりもずっとたくましく魅惑的な彼を前に、クロエは動揺と恥ずかしさのあまり逃げ出した。
かつてジェームスに贈られた銀のヘアピンを落としたことにも、彼が長年クロエを捜していたことにも気づかずに。
■ジェームスはクロエのアパートを突き止め、ふたりは言葉を交わす間もなく愛し合います。
すぐに求婚されるも、いまだ傷の癒えないクロエは消極的で……。
引き裂かれた初恋、灰色の10年、運命の再会――甘やかでドラマチックな純愛ストーリーをお楽しみください。
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