花嫁は救いの天使
盲目の花嫁に夫は見えない。
その姿も、愛も、見えない……。
メロディは生まれつき盲目で、非情な貴族の父親に疎まれてきた。
このままでは今にも家から追い出されかねない。
メロディの窮状を見かね、地中海の国の王妃となった姉が、国王の弟グリフィンとの縁談をお膳立てしてくれた。
そうすれば、メロディは冷酷な父のもとを離れられるし、グリフィンも放蕩王子という悪評を拭い去ることができるから。
初対面の時から陽気な王子に密かな想いを抱いていたメロディ。
ところが、結婚式とそれに続く舞踏会が終わって初夜に臨む前、彼は言い放った。
「後継ぎは必要ないから、体の関係も必要ない」■王子が感じているのは同情心だけで、愛が与えられることはない。
悲しい現実に打ちのめされたメロディですが、’君はもう安全だ’と言って抱きしめてくれた王子の優しさだけを頼りに、王族としての生活が始まり……。
『エーゲ海の政略結婚』関連作になります。
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