ホテル王に隠した秘密
言えるはずがない――私の純潔を疑う彼に、「あなたの子を宿しています」と。
いまいましいタキス・サマラス! リサはベッドで枕を叩いた。
姉の結婚式で、リサは新婦の付添人、タキスは新郎の付添人で、初対面なのに強く惹かれ合った。
少なくともリサはそう感じた。
長身で逞しい彼は、ギリシアでホテルチェーンを率いる富豪。
恋人は作らない主義と公言してはばからない彼は、リサがヴァージンだと告げると、信じず去っていった。
そんなタキスのことなどきっぱり忘れたはずだった――ある夜、チャリティパーティで再会するまでは。
彼は鋼のようなグレーの瞳で見つめて言う。
「君と最高の一夜を共にしたい」■忘れようとしても忘れられなかったヒーローとの再会。
ヒロインは彼のスイートで一夜だけの情熱に身を任せた翌朝、黙って姿を消します。
やがて妊娠に気づくものの、彼女が純潔だったことを信じてくれなかった彼に、妊娠したとは到底言い出せなくて……。
更新中です。しばらくお待ちください。