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告げられない愛の証

どうかおなかの子だけは愛して。
たとえ私のことがわからなくなっても。
結婚半年の記念日の朝、サン・ヴィターノ王国の皇太子妃ルーナは、王家所有の金鉱視察に赴く夫リーニと別れのキスを交わした。
昨夜、妊娠が判明し、彼女は幸せの絶頂にあった。
夫が帰宅したら、この朗報を伝えて特別な日を祝おう……。
だが彼は帰ってこなかった。
地震による落盤事故に巻き込まれて。
打ちひしがれながらもルーナは夫の死を受け入れ、気丈にもほかの犠牲者の弔問のため隣国まで足を延ばした。
そして、奇跡が起きた。
病院で治療中のリーニを発見したのだ。
「君は誰だ? いったい僕は何者なんだ?」ルーナの喜びは一瞬で消えた。
夫はすべての記憶を喪失していた。




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