手紙
たかが少女の恋。
されど愛。
変わらぬ想いが、そこにあった――太陽のような笑顔と艶やかな黒髪をした、楽しく魅力的なフランコ。
18歳のジョアンは留学先のイタリアで出会った瞬間、恋に落ちた。
フランコが妹のようにしか見てくれなくても幸せだった――ジョアンとよく似た年上のいとこ、ローズマリーが訪ねてくるまでは。
いとこの優雅で繊細な大人の女性の魅力に惹かれたフランコは、ジョアンの目の前で、ローズマリーと結婚してしまったのだ。
あれから8年。
久しぶりに再会したフランコは病で妻を失い、あの頃とはまるで別人のように暗く沈んでいた。
いまだ彼への愛を秘めたジョアンは、張り裂けそうな心で思った。
いとこの身代わりでもいい。
それで彼を癒やせるのなら……。
■ヴァージンロードを歩く幸せなフランコとローズマリーの後ろで、切ない失恋の痛みに人知れず耐えたジョアン。
もしも彼への恋心が十代の少女にありがちな一時的な熱狂であったなら、どれほど楽だったことか……。
もどかしい恋を、故人の手紙が後押しする感動作。
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