椋木家具工房の新入社員である山田雪花は、部長の山田士郎に想いを寄せている。
ある日、そんな雪花の前に士郎部長そっくりの男が現れる。
こちらの世界と同じ並行世界からやって来たという彼は、雪花とは恋人同士だという。
雪花はその人物をひとまず自分の家に住まわせることにし、便宜上彼のことを「シロウ」に対し「クロウ」と呼ぶことにした。
クロウによると、『並行世界は同じ運命をたどる。
山田士郎と雪花がくっつかなければ、もう1つの世界の2人も結ばれないことになる』らしい。
そのためクロウは元の世界に戻る方法を探す一方で、雪花に「シロウと付き合うべきだ」と促す。
しかし、シロウは仕事に夢中で一向に振り向く気配がない。
そんな中、雪花は次第に自分に寄り添ってくれるクロウに惹かれていってしまう。
そんな雪花を見て、クロウも次第にこの世界の雪花に惹かれていく。
だが実は、シロウも雪花に惹かれており、‘ある事情’によって想いを塞ぎ込もうとしていたのだった……。
そんなある日、不自然な出来事が3人の前に立ちはだかる。
そこで、この不自然な出来事はクロウがこの世界に来たことと関係があり、しかもその原因は金星による天体現象であるということに行き着く。
元の世界に戻る手がかりを得た3人は、クロウがあちらの世界で直前にいたと思われる場所、スカイツリーへ向かった。
はたして士郎を元の世界に戻し、歪を直すことができるのか……。
そして雪花はどちらを選ぶのか……。
並行している2つの世界の間で揺れ動く3人の物語――