三階 あの日テルアビブのアパートで起きたこと
舞台はテルアビブ郊外にある瀟洒な三階建てのアパート。
一階の若夫婦は、同階の高齢夫婦に子守りを頼み、良いご近所付き合いをしているつもりでいた。
しかし認知症を発症した老人と彼らの九歳の娘に不幸な出来事が襲いかかり、傷ついた夫は一線を超えてしまう――。
二階では、不在がちな夫を頼りにできない、若い母親が二人の子どもの育児に追われている。
疲労から幻聴や幻覚に悩まされる彼女の前に、義理の弟が現れ、彼女と子どもたちに新しい風を吹き込む。
しかし彼は詐欺事件の容疑者として警察に追われていた――。
三階には元地方判事の女性が住んでいる。
一年前に夫と死別し、若者の市民運動に身を投じるようになった彼女には、人には言えない、断絶してしまった息子との苦い思いがあった――。
交わることのなかった一階から三階までの住民が、ある出来事をきっかけに、互いに作用しながら現代イスラエルの大きな変化の波に飲み込まれていく。
イスラエルのベストセラー作家が描く、サスペンスフルで、最後には登場人物を解放の光で満たす、感動の物語。
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