御伽草子
英国に滞在している両親と別れて暮らす早紀は、結婚を考えていた恋人にふられ、新しくできた彼氏とも別れ、姉のように慕っていた若くて美しい叔母の「りいちゃん」を失って以来、日ごとに孤独な思いを募らせていった。
仕事に生きがいを感じてはいたが心の中の空虚感は埋められはしない。
そんな早紀を「りいちゃん」は早く幸せに気づくように歌声を響かせる。
そしてもうひとり、ずっと早紀を見守ってきた人物がいた。
同僚の谷崎君だった。
やっと彼の思いに気づいて「ごめんね、わたし、谷崎君の気持ちに、一度も応えたことがなかった」という早紀。
しかしそのとき、彼は父親の勧める縁談を受け入れる覚悟をしていた。
適齢期を迎えた女性の揺れる心を描く著者の初期の作品。
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