「お前たちは二人でやっと一人前だ。<br />だから、何方が欠けても店は無いものと思え」親方にそう言われた割烹店の板前とその妻だけでなく、人は誰しも一人では不完全な半人前である。<br />信頼し合う二人が支え合い補い合って漸く一人前になる。<br /> 此処に収められた十篇の短編は、そんな「半欠け」の二人が信じ合い解り合って人生を紡いで行く感動の珠玉の物語である。<br />