今の時代は核家庭化が進み、親戚とは結婚式や葬式にしか会わない。<br />俺なんて、新潟に住んでいるばあちゃんが今、どんな状況なのかも知らないで、のんきに学生生活を送っていた。<br />生きていることだけは知っていたばあちゃんが『死ぬ』らしい。<br />『死んだ』でも『死にそう』でもなく『死ぬ』。<br />まだ生きているというのに喪服を持って新幹線に乗り込んだお袋たちに違和感を持ちながら、俺も新潟へ向う--。<br />