’何を仕事とするか’である「役職」が、国から自動的に決められるようになると、人々は進学や就職など、先の人生に対する不安がなくなり安心して暮らせるようになった。<br />ところが、ある日、自分の「役職」を放棄しようとしている律子が准役職決定官の「僕」の前に現れる。<br />「僕」と上司の桂さんはその理由を探ろうとするのだが、律子はただ「Mが助けを待っている」と呟くだけだった。<br />