舞勇傅(ぶゆうでん)
平成の幕開けとともに誕生した和(かず)。
平和に、たくさんの人に囲まれて生きることを願う両親。
みんなと一緒に、学校に行きなさい。
嫌だ、休み時間に踊るだけで奇異の目で見られる学校なんて……。
僕は「自由」と出会ってしまった。
幼い僕の心をつかみ、僕の魂をゆさぶり続けたのは、躍ること。
国境も、人種も、性別も関係ない。
そこにあるものは、美しい躍動のみ。
僕の希望はただ、その瞬間、その場所で、自分らしく舞うことだけ。
しかし、隣国との間で戦争が起こり、僕のもとにも召集令状が届く。
愛するひとを守るため、平和を守るため、戦争に赴くことが唯一の答えなのか。
みんなと違う道を選び、自分らしく生きることは、いけないことなのか。
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