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砂場のふたり

「ママ」「私は」「だいじょうぶ」娘が手話で伝えてくる。
「本当に大丈夫なの?」娘を信じきれない母の心は揺れた。
重度の聴覚障害を持つ娘は『ろう者』である。
娘は高校を卒業し、独り立ちの時を迎えていた。
日々不安に苛まれながら娘を守ってきた母は心配でならない。
幼いころの娘は、砂場で歪な山つくった。
そしてそれを、自分自身だと言って笑った。
『砂は同じでも、形は違う。
歪なカタチをした娘には、守るってやる手が必要だ』そう思ったあの日から時は流れ、娘は成長し、砂は容を変えていた。
母と娘を開放する、成長と信頼の物語。




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