女子大生は湯船に浸かる。<br />上京し、ひとりだけの新生活がはじまった。<br />瑞々しい肌が光り、絹のように艷やかな黒髪がタオルからハラリと一条、赤らんだ頬にかかり、湯気の中に誰も見ることのない大輪が咲く。<br />しかし、彼女は気づくのだ。<br />バスルームにはもうひとつ、いや、無数の気配があることを……。<br />謎解き作家 雨露山鳥がおくるミステリー短編。<br />バスルームの女子大生に迫る気配の正体とは!?