人を食い殺した人狼として、異端審問にかけられた男。<br />彼が語り始めたのは、一人の人狼に出会った少年の話だった――。<br />人を食べないことで人間に狩られず残ってきた最後の人狼と、その人狼に育てられた少年。<br />心を通わせたはずのふたりに、何が起こって人狼が異端審問を受けるまでに至ったか。<br />これは決して交わることのできなかったふたつの個体が織りなす、かなしくもうつくしい愛の物語。<br />