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恋と気づいたときから

「もう、お前とは会わない」 卒業式の日にそれだけを告げ、寿鷹は千尋の前から姿を消した。
極道の息子でありながらクラスの人気者だった寿鷹とは、友人とも恋人とも呼べないセックスフレンドのような関係だった。
それでも、複雑な家庭環境で育ち、幼い頃から他人への興味が希薄だった千尋にとって、寿鷹は初めて情を傾けることができた特別な相手だった。
あれから7年……。
千尋は自身のバーを構え、バーテンダーとしてカウンターに立ちつつ、人との深い付き合いを避けるようにして生きている。
そんなある日、千尋の店は嫌がらせを受けるようになる。
犯人はバックにヤクザが付いているという噂のある、向かいに新しくできたライバル店。
嫌がらせはエスカレートし、とうとうチンピラのような男が店に乗り込んでくる事態に。
偶然店に居合わせた客との小競り合いが始まり、一触即発という空気になったその時、店に現れたのは7年前に姿を消した寿鷹だった……。




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