琥珀の恋情 〜伯爵令嬢が恋した従者は侯爵様でした〜
伯爵令嬢イヴァンカが婚約者として対面したのは、つい先日までイヴァンカの従者をしていた男・ジークだった。
聞けば、彼はわけあって素性を隠していたが、正体は新フォックスワーズ公爵であるらしい。
しかも今回の婚約はジークからの申し込みであるという。
「俺はその……お嬢様に手を出してしまいましたから。
責任を取ろうかと」 愛を囁くわけでもなければ、ただ責任を取るために求婚したと言うジークに、呆然とするイヴァンカ。
身分を偽られていただけでもショックだが、それ以上にジークから愛のない求婚がイヴァンカを落胆させていた。
従者と伯爵令嬢では身分が違いすぎると、涙ながらにジークへの恋心を押し殺してきたというのに……。
責任など取らずともよいと答えるイヴァンカに、ジークは従者の頃のままの言葉遣いで言うのだった。
「拒否はさせません……申し訳ありません、お嬢様」
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