伝統とモダンが、新たな市民文化を花開かせる帝都。<br />ドイツ人の母を持つ華族の青年・千崎理人は、職を得ようと訪れたサロンで、謎の美少年と出逢う。<br />少年は、理人の望み――職と住まいを用意する代わりに、グリム童話に擬えた『名前当て』の賭けを持ち掛け……。<br />さらに「自分が事件を解決するから、『探偵』として表に立ってほしい」と頼むのだった。<br />華やかな昭和の初めを舞台に、理人は「少年助手を従えた美貌の探偵」として、様々な事件に巻き込まれていく。<br />